ボローニャ旧市街の真ん中の、2本の塔から直ぐの処にこんな店がある。piazza santo stefano に向かう途中の左手にあるが、いつもながら店に名前を知らない為に私は角の店と呼んでいる。この店は一体何時からあったのだろう。いつも前を歩いていながら私は長いこと気が付かなかったようだ。何ヶ月も前の冬の夕方、女友達と当ても無くぐるぐる歩いた。ウィンドウショッピングならば寒さも感じないのだろうか。寒いというのに女というのは、全く不思議な生き物である。私が男だったらば、きっとそう言ったことだろう。兎に角その日、この店の存在を女友達が教えてくれた。外見は小さいが中に入る遠くが深い。あっちにもこっちにも部屋があって、じっくり見だしたらきりがない、そんな店だ。この手の店では価格のことは考えないのが宜しい。その発想を見て楽しむ、品質を確かめて感嘆する、それが良いと思う。私はアンティークが好きなので真新しいものを購入したいとは思わないが、それにしても家具の配置や組み合わせ、色合い、小物の選択から学ぶもがあった。それ以来、私はこの前を通る度に外から覗きこむのが習慣になった。何度通り掛っても、私にとっては角の店である。未だに店の名前が分からない。
ところで今日は金曜日なのだ。長い休暇の前は何時だって忙しくて家と職場の往復、思い返せばつまらない毎日だったが、ようやく金曜日の夕方に辿り着いた。さあ、何をしよう。郊外へ車を走らせようか。それとも街へ向かおうか。どちらにしても空はまだまだ明るくて、何もが可能に思える。来週末はそれぞれが選んだ休暇先へと散らばっていく。だからこの週末を逃したら8月の終わりまで友達と会うこともない。いつもは腰が重い私も、今週末はアクティブになる。buon fine settimana a me.