昨日から夏時間が始まって夕方遅くまで明るくて大変宜しい。僅か一時間のことだけど心に与える印象も喜びも大きい。そしてもうひとつ。僅か一時間のことだけど私はその一時間の違いが体に堪えて眠れない。自分が顔に似合わず繊細であることを毎年この時期に再確認している。顔に似合わず繊細などと人に言われたらむっとくるに違いないが、自分で言うのは良い。あははと腹の底から笑って、お終い。後腐れも何もない。先日via santo stefano で96番のバスを待っていたところ、一瞬ぱたりと車の流れが途切れた。この通りには珍しいことである。旧市街内は交通規制があるというのに不思議なことに何時だって車の流れが途切れない、それがvia santo stefano なのである。この瞬間この通りに存在するのは私と向こうからゆっくりとペダルを漕いでくる青年と、そのまたずっと向こう側から歩いてくる老人だけ。物音のしない静かな午後の一瞬を互いに知らない同士の3人で分かち合った。