2007年 06月 29日
vetrina 見学 |
何度覘いても面白いvetrina (ショウウィンドウ)はここ、via drapperia に在る一軒だ。店の名前を覚えることが私の苦手なことのひとつであるが、この店の前を何度通っても何度看板の名前を確認しても覚えることが出来ない。それでいて大好きなのだ、この店が。ここはイタリアで俗に言うcasalinghe (カーザリンゲ)と呼ばれている家庭用品を売る店だ。vetrina の中には食器類もあるが面白いのはオリーブオイルやビネガーを入れる様々な形のガラスの器、包丁、薄手のガラス製のコーヒーカップやクリスタルのデキャンタ、ワインオープナーなどである。私は案外どうでも良いこと、物が気になるタイプなので、時々微妙に入れ替えがあるここを素通りすることがどうしても出来ない。変な性格と思うなかれ、こういうタイプの人間は思った以上に世の中に居るらしく、私がvetrina をひとり淋しく見学することは殆どない。必ず2,3人がガラスにへばりついている。彼らも同じどうでも良いものが気になる人達らしい。先日右上のほうに床屋が使うような道具を見つけた。泡立て及び顎に泡を塗りたくる、髭剃りに使うあれである。いったい誰が買うのだろう。私の友人知人関係で今時これを使っている人は居ないなあ。見ればそれなりに種類があって、ああ、これこれ、と拘って買っていく人が居ることを示唆しているようだった。それから様々な用途向けの大きさの違う鋏。写真には写っていないがぎらりと光を放つ包丁や刺抜きも並んでいる。スーパーマーケットで買い物をするのに慣れた現代人、特に北米人や日本人の目にこの店はいったいどんな風に映るのだろう。実際見学と称して見入っている人達は大抵ある程度の年齢を超えた人たちか、ヨーロッパの人達である。とりあえず現代人の仲間であり100%日本人の私だが、何しろ古いものが好きであり人間も昔風であることも手伝って懐かしい感じがすると同時にとても粋に見える。大好きな店。でもたった一つ困ったことがある。ここに居ると数匹の犬を連れた兄さんに必ず"小銭ちょうだい"と訊かれることである。
by yspringmind
| 2007-06-29 13:30
| bologna生活・習慣