2007年 05月 16日
castel san pietro |
昨年の6月の初旬だったと思う。友人夫婦が暮らすボローニャ郊外の町、castel san pietro (カステル・サン・ピエトロ)へ食事に行った。イタリアは年中各地で何かしらの催し物が繰り広げられているが気候の良い時期はその数は倍にも膨れ上がり、この町も例に漏れず丁度blues festivalの最中であった。この小さな町は一言で田舎と言い切るには勿体無さ過ぎる文化的な町である。確かにボローニャを基準にして見れば規模は小さく遠くの町でありビジネスなどの動きからかけ離れていると言っても良いが、物事の基準はそれだけではない。私は個人的にこの町が好きである。ボローニャの中心からアドリア海方面に向かって30km、imola(イモラ)の少し手前と思うと良い。郊外行きのバスに乗ると大抵エミリア街道の渋滞に巻き込まれるので小1時間掛ってしまう。だからちょっとした遠足気分で行くとイライラせずに楽しく過ごせて宜しい。車ならばあっという間に到着するのでちょっとだけ遠くに来た、くらいの感覚だ。さて前置きが長くなったが6月初旬の空がやっと暗くなる9時半位になったら町の奥の遊歩道を歩くのが楽しい。草むらで恋人達が戯れていることもたまにはあるが、それは見て見ぬ振りをして更に暗がりへと歩いていこう。そうするとびっくりするほど沢山の蛍の光を堪能することが出来るのである。蛍。日本でこんなに沢山の蛍が生殖しているところは今でもあるのかどうか知らないが、イタリアの、ボローニャ郊外にはこんな場所が沢山あるのだ。日本では水が綺麗なところに蛍が生殖すると言われているが、ボローニャ辺りでは更に麦を刈り取る時期に蛍は発生する言われている。気が付けば辺りの麦畑の麦は既に背が高く、限りなく黄金色に近い。暖冬であり雨が沢山降った今年は麦の収穫がいつもよりも早いのかもしれない。と、通勤最中に麦畑を見ながらそう思った。それでは1年振りにcastel san pietro へ行くとしようか。催し物カレンダーをチェックしたら5月終わりから6月初めに掛けて今年もblues festivalがあることが分かった。bluesでも聴きながらワインを楽しみ、そのあと蛍鑑賞でもしないか、と近いうちに友人達を誘うつもりである。
by yspringmind
| 2007-05-16 13:30
| bologna散策・あれこれ