2007年 03月 03日
イタリアの老人パワー |
昨晩は用事を終えて旧市街に辿り着いたら既に9時を回っていた。街を歩く人はまばらで思いのほか3月初めの週末の晩を楽しむ人が少なかった。それは日本の春先に吹く風によく似た、強い風が吹いていたからだったに違いない。強い風が吹いていようが何だろうが静かな晩の旧市街は美しい。しかし薄着をしていたことと腹ペコだったこと、疲れていたことで予定を変更し、寄り道せずに家に帰ることにした。街の中心から20番のバスに乗った。同じバス停でおばあさん達が3人乗ってきたので座っていた若者達がすかさず席を譲る。イタリアで感心することは老人や妊婦、赤ん坊を抱っこしたお母さん、体が不自由な人がバスに乗ってくると皆が率先して席を譲ることである。当たり前のことであるがイタリア人のそれを見ていると若者は席を譲るのが義務のような、そう、使命感みたいなものを感じて気持ちが良い。さて席に着いたおばあさん達、かなりの年齢のようだ。と、思っているところに発車間際におじいさんが乗り込んできた。間髪いれずおばあさんの一人が、"カルロ。丁度良かった。明日の晩、ジョヴァンニの誕生日会をするんだけどあなたも来る?でも持ち寄りパーティだから何か持って来てね"、と。カルロが"へえ、ジョヴァンニの誕生日か。一体幾つになるんだい?"、と聞くともうひとりのおばあさんが"私より5歳上だから99歳よ"と返事をした。ええ!皆さん90歳すぎてて晩の9時にまだ外でうろうろしている訳?と私も傍で聞いていた人達も彼女達の元気さに驚いた。多分カルロも同じくらいの年齢なのだろう。すごい。そういえば家の近所に晩遅くまで開いている老人向け社交場がある。そこではダンスをしたりカードを楽しんだり、簡単なつまみを食べながらワインを飲んだりするところである。私がバスを降りる時、おばあさんのひとりが"次の次で降りるんだったわね"と言うのが聞こえて、ああ、やっぱり、この人達はあの老人向け社交場に行くのだな、と確信したのであった。
by yspringmind
| 2007-03-03 18:10
| bologna散策・あれこれ