2006年 12月 26日
山の友達を訪ねる |
サント・ステファノの祝日である今日、朝からすごい快晴だった。この時期にこんな晴天は珍しく、この時期にしては暖かいほうだ、と寒がりの私ですらそう思った。今日はボローニャ郊外の山に住む友人を訪ねる予定だったので天気に恵まれたことを心から喜んだ。友人はボローニャの町から30km程トスカーナ州をめがけて行った所に位置する標高800mの小さな村に住んでいる。何度も行っているが村の名前は未だに知らない。住んでいる本人もはっきりと覚えていないようだ。友人がこの家に住み始めたのは数年前からだがここに家を買ったのは確か9年くらい前のことだ。今にも崩れ落ちそうな屋根と二階の床をよそに戦争を潜り抜けてきただけのことはある、厚みが1m近くあって何が何でも壊れないぞ!的迫力のある頑丈な壁、しかし全体的に朽ちかけた古い古い一軒家だった。仕事が休みの週末や夏と冬の休暇を家の修復に注ぎ込んで5年後にようやく完成した。外装も内装も全て自分で仕上げた友人の傑作、いや大傑作のこの家は大変居心地がよく、週末になると沢山の人が集う。標高が高いここに春がやって来るのは街よりも遅い4月下旬で、それを境目に緑が萌え出してあっという間に花が咲き鳥が囀り始める。夏季の昼間は樹の下で時間制限なしの昼食を楽しみ、木陰で昼寝をする。夜には無数の蛍が飛び交い、それを観賞しながらワインを頂くのは至極の喜びだ。8月下旬になると早くも秋風が吹き始め後はひたすら寒くなる一方だが、辺りを取り囲む大自然は秋色に色づいて来る人々の目を楽しませてくれるのだ。この時期にしては暖かいと喜んだが山はたったの零度だった。寒い。道もガチガチに凍っている。本当に寒い。一日中陽の当たらないところは大変な霜柱だし先週降ったらしき雪も積もっている。けれどもそうして友人の家に到着したら、友人のお母さんが美味しい昼食を作って待っていた。ナポリの美味しいパスタに若い猪をトマトと一緒にじっくり煮込んで作ったソースを添えたものは驚くべき一品だった。猪の肉はエミリア・ロマーニャ州やトスカーナ州の冬場の料理によく登場するが大抵硬くて臭味があるので嫌いな人も多い。しかし今日のこれは臭味なんて全然ないし口に肉を放り込み口を閉じるだけで肉がトロリと溶けてしまうのだ。その後にも色々美味しいものが続き、気が付いたら3時間も食べ続けていた。・・・確か今日は控えめにいく予定だったのになあ、と思ったが後の祭り。私のお腹もみんなのお腹も満足そうににっこり笑っていた。美味しいものを拒むのは非常に難しい、と自分自身に弁解した。
by yspringmind
| 2006-12-26 21:57
| bologna生活・習慣