暑い一日だった。その上湿度も高くて、鬱陶しい一日だった。少し前まで天気予報を見るのが楽しみでならなかった。昨日より今日、今日より明日の方が気温が高くて過ごしやすいのを目で確認するのが嬉しくてならなかったからだ。ところが最高気温30度を越えるようになった辺りから、ひょっとしたらもう見ない方がよいのではないかと思い始めた。なのにうっかり見てしまった。明日は33度になるそうだ。ボローニャは内陸の盆地に位置する、暑い夏で有名な町だ。住み易いし美しい町だけど、この夏の暑さには誰もが辟易して、だからこの時期から次々と住人が海や山へと脱出する。今週中には学校が終わるらしいから、益々人口が減ることになるだろう。私にとってボローニャの夏とは、ひと気のない町である。それは一瞬寂しいようで嬉しい。ボローニャが閑散とするのはこんなときしかないのだから。ところでボローニャのポルティコは本当に良く出来ている。強い日差しを遮られた大理石の通路はひんやりとしていて気持ちが良い。ボローニャにポルティコが無かったら。そう考えるとちょっと怖いような気さえする。