2007年 09月 20日
autunno (秋) |
今朝家を出ると冷たい大気が辺りを包んでいた。9月20日にこんなに冷え込むとは。うっかり素足にサンダルを履いてきたことを酷く後悔しながら職場へと向かった。通勤ロードの左右に広がる丘はもうすっかり秋。私のお気に入りは丘の合間にある三角形の小さな池だ。そこにはいつも小さな赤い舟が岸辺に付けられている。緑色の水面と赤い舟のコントラストが大変美しく、毎日それを確認しながら通勤する。あの舟はいったい誰がいつ使うのだろうか。私が居ない時間に何処ぞのおじさんが釣りでもしているのであろう。しかし魚など居るのだろうか。かなり疑問である。丘を下って小さな村に入った辺りで数台の車が路上駐車しているのを見かけた。どうやら右手の雑木林でキノコ狩りをしているようだ。その少し先で前を走っていた車が急停止した。思わず玉突き衝突するところであった。何しろこの時間帯は通勤通学する人たちで結構な交通量なのである、こんな田舎道にしても。全くいったいどうして急ブレーキを! と誰もが腹を立てて車から出ようとしたところ、ようやくその理由が見え出した。キジである。恐らくはキノコ狩りで人で賑わっている雑木林をこっそり脱出したと思われるキジのグループが、私達の行く手を遮ってトコトコト横断していたのであった。羽が在るのに何故飛ばない。しかし彼らは2本の足でとことこ横断したのであった。1,2,3,4,5,6,7・・・結構な数の雉が雑木林に存在していたようである。彼らはいったい何処へ移動して今日という日を過ごすのか。そうとも知らずに人間はキノコ狩り。キジの立場からすれば全く迷惑な話であった。そんなことを思い出しながら昼休みを迎えた。外は快晴。青い空に白い雲が浮かび、時折それをかき乱すみたいにして木の尖頭が風に揺れる。いつものしがない昼食、しかし今日は飛び切り美味しい赤ワイン。上司からの差し入れだ。秋は赤ワインが美味しい。赤ワインには・・・キジ。どうやら動物を直ぐに食べることに繋げるイタリア人の悪い癖がうつってしまったようである。
by yspringmind
| 2007-09-20 13:30
| bologna生活・習慣