2007年 09月 06日
残念なこと |
遠方からの人々の話。昨日は快晴に恵まれてボローニャ散策に出かけた4人組。私が暮らすボローニャ郊外の丘の町ピアノーロでは水曜日の午前中に小さなメルカート(市場)が出没するが、それらの店を少し見て歩いたのでちょっぴり遅いボローニャ散策のスタートになったそうだ。天気の良い日の散策は楽しい。あっちへ行ったりこっちへ行ったり、既にボローニャ訪問が4回目だか5回目になる友達夫婦がいるので道に迷うことはない。両親を伴ってボローニャを十分楽しんだようである。ところがその晩一行の一人が"財布をとられたようだ、多分あの時に" と言う。一行が頭をつき合わせて考えると、ああ、あの時・・・そうだ、あの時に! といよいよ事実がはっきりしてきた。5時間も前のことであった。中に入っていたカードを無効にしたり、近所の警察に行って時間外だからと断れられそうになったのを強引に押し切って警察証明を発行して貰ったり。これで万が一何かあっても保険でカバーして貰えるので安心だ。しかし私は悲しかった。いや、残念だったと言うのが正しいかもしれない。こんなことが起きたことで折角楽しかったボローニャの滞在が台無しになってしまうのではないかと。本人は内心ガッカリしているだろう、落ち込んでいるに違いない。しかし私の前ではそんな様子を少しも見せず、始終笑顔を絶やさずにいる。ボローニャに住んでいる私への心遣いなのだろうと思うと益々残念でならなかった。もし、私が一日仕事を休んで同行していたら。もし、私が散策中には気を付けるようにと念を押していたらば。もし、もし・・・と色んなことを考えたのだった。悪い人たちばかりではない、イタリアは。しかし残念ながらスリが沢山居る、それは本当だ。だから私はいつも肩からさげた鞄を同じ側の手でしっかり押さえて歩くのだ。ポケットに貴重品を入れてはいけない。自分にむやみに触れる者がいたら大声で叱り飛ばす。楽しい散策中だって背中にも目をつけて歩くのだ。"冗談じゃないわよ、私に悪さなんてしようと思うんじゃないわよ" みたいな感じでしっかりと歩くのだ。でも治安のよい国から旅行に来た人々が、どうしてそんなことが出来ようか。イタリアは美しい。ボローニャは良い街だ。けれども道を歩く時や公共の乗り物の中では周囲に気を付けて欲しい。こんなことで折角の楽しい気持ちにケチをつけて貰いたくないのだ。さて、そんなことがあった翌日の今日、またしても素晴らしい晴天に恵まれ、一行は各駅電車に乗って花の都フィレンツェへ。楽しい小旅行になることを心から祈る。
by yspringmind
| 2007-09-06 13:30
| ひとりごと