2007年 05月 22日
隙間から見る |
ここ2年ほどボローニャに張り付いていると言う表現が正しいような生活をしている。勿論たまにはフィレンツェにも足を延ばしたが私にとっては隣町なので旅行ではない。インターネット社会になった今、郵便ポストを覗く楽しみもめっきりなくなった。たまに何か封筒が入っているかと思えば大抵の場合が光熱費等の支払い請求書なので一瞬でもわくわくしようものならその分だけガックリ度も高くなるのである。後は得体の知れない寄付金を求めるダイレクトメールとか。そんなものはこちらが頂きたいくらいである。さて、そう言いながらも家に帰るとたまには友人達からの旅先からの葉書が届いていることもある。奇麗な絵葉書に楽しい旅の報告である。みんなが楽しんでいることを私も嬉しく思うし、素敵な絵葉書だと自分もいつか行ってみよう!と刺激されてはわくわくする。しかしその一瞬が過ぎるとたちまち、あーあ、何処か行きたいなー、と旅行願望が疼きだすのである。最近はプーリアから葉書が届いて南イタリアに行きたい病に罹っている始末である。最近の私の楽しみと言えば思い切り田舎の山の友人達のところへ行くことかボローニャの街を散策することくらいである。勿論それが出来る時間的余裕があるだけでも有難いことである。少し前まではめまぐるしい毎日で週末だって自分の意に反して猛烈に動き回っていたのだから。出来る範囲内で生活を楽しもう、と近頃は仕事帰りにボローニャ探検を再開した。足がいつもと同じ道に向いてしまうのはどうしてなのだろう。見慣れた風景、見慣れた店、見慣れた建物。まだ歩いたことのない所は沢山ある筈なのに。足が向いてしまう場所のひとつはp.zza maggiore、別に何がある訳でもない。ただ私はひとつ特別に好きなことがあるのだ。それは市庁舎の建物に備わったポルティコの隙間から覗き見るこの風景である。広場とvia d'azeglio と via IV novemble の接点を覗き込んだ風景だ。不思議なことにいつもと違う風景に見える。そして私だけの印象なのか、何故かボローニャに見えないのである。ポルティコがあること自体はボローニャだけど建物の色や太陽の加減がひょっとした拍子にローマやそれよりも少し南風に見えるのだ。時にはこんな風にいつもと同じ道も角度を変えて見るとよい。おかげでこの街に飽きることはまだまだない。
by yspringmind
| 2007-05-22 12:30
| bologna散策・あれこれ