2007年 02月 04日
クロアチアの風 |
昨晩フィレンツェから戻ってきたその足で旧市街の、via san feliceの中程にある友人が営むオステリアへ行った。暫くぶりだったので話が弾む。友人のそのまた友人である私には面識のない2カップルも加わってイタリア人にありがちな話題をコロコロ換えながらワインを飲んではオリーブを食べる。そうしているうちに店の主の恋人が父親を伴ってやって来た。彼女はクロアチア人。以前イタリア領土であったイストリア半島の先っぽの町ポーラの出身だが、ボローニャ大学で学ぶ為に来て以来10年以上ボローニャに住み着いている人だ。ちょっと話した感じではイタリア人と間違うほどイタリア語が堪能だが、一見してそうでないと分かる、その理由は長身だからだ。クロアチアに行くと本当に長身の人が多いのに驚くが彼女もそのうちの一人という訳で180cm以上ある。私と彼女が立ち話をするとあまりの身長の差に互いに恥ずかしい思いをすることになる。さて、その彼女の父親は彼女同様の長身であった。見かけのごつさとは反対に大変親しみやすい人物であった。私が2年前の夏に過ごしたポーラでの休暇のことに始まり、彼の家がある南クロアチアの内陸部の様子や食べ物の話、この夏の予定、と、やはりイタリア人同様話題がを換えながら。そうだ、2夏前の8月にクロアチアへ行ったのだ。今までに何度も誘われながらも行かなかったクロアチアは、実はとても素敵なところだった。同じアドリア海でありながらイタリアのそれとは違う澄んだ水であり、海辺で過ごす人の数もずっと少ない。有料のビーチなんて数えるほどしかない。そしてポーラの街は遺跡の宝庫で今でも発掘が続けられているのだが、お金を出してわざわざ遺跡博物館に入る必要はないくらい旧市街そのものが遺跡といっても良い。町の中心には毎日市場が開かれ魚が信じられない安価で売られているし、野菜や果物にしても物価高のイタリアとは比べるのが馬鹿馬鹿しいほどだった。旧市街の小さな食堂で食べたにんにくがふんだんに入った、緑のソースを絡めた小さなイカの美味しかったこと!そんな楽しかった夏を思い出して、この夏はポーラへ行こう!と決めた。予期せずやって来た友人のお父さんが、長く暗く寒いボローニャの冬を過ごす私たちにクロアチアの夏の匂いがする風を吹き込んでくれた。
by yspringmind
| 2007-02-04 13:59
| 友達・人間関係