2006年 12月 29日
爆竹・花火 |
今年も残り僅か、そう実感するのはいつも夜9時を回る頃だ。それは何故かと言えば近所の若者達か子供達か分からないけど夜9時を過ぎる頃になると花火を打ち上げたり爆竹を道に叩きつけて盛り上がるからだ。日本人は花火が好き、花火は日本の文化の一部と言ったら言い過ぎだろうか。日本の打ち上げ花火は大きくて美しいことで世界でも有名だ。さてイタリアの花火は美しいかどうかは別にしてお祝いの日やその前日などの夜に打ち上げられることが多いが、音が大きいので関心がなくても何ごとか!と窓の外を見ずにはいられない。一昨日の晩のこと、うちですっかりくつろぎモードに入った頃に外で爆竹や花火の音が鳴り始めた。何だか今日の音はとても近くのような気がする。こんな住宅街で花火や爆竹をするなんて何ということ!夜なんだからあんまり騒がないでよね、と心の中で思ったその時、もの凄い爆音が響き家が大きく揺れた。怖かった、本当に怖かった。自分の手足がまだ存在していることを確認して、良かったと胸を撫で下ろした。きっと近所の誰もが悪いことを一瞬ながらも想像したに違いない。大爆音後の数秒間、辺りはしーんと静まり返りその後窓という窓から住人が頭を突き出して爆音の犯人達を一気に叱り飛ばしあっという間に退散させた。ここ数日、人々は爆音にとても神経質だ。何故ならクリスマス前日にボローニャ郊外のある村でガス漏れによる爆発事故があったばかりだからだ。この事故はその後も尾を引いており解決するのはいつになることか。話しはこうだ。24日の朝7時頃、村の一部でガスの臭いがした。住民は直ぐガス会社に連絡をしてコントロールしてくれるよう頼んだがガス会社は一向に来ない。後でガス会社は"ガス漏れ通告のうちの90%は嘘通告だから"と弁明した。兎に角、そのうちに、ボン!爆発して家が一軒吹っ飛んでしまった。住人は残念ながら亡くなった。世間は狭いものでこの家族は私の知人にとっては家族同然の親しい人達だった。ボローニャから直ぐそこの村に住む家の家長は数年前まで羊を100匹ほど飼っていて、その乳でペコリーノチーズを作って販売していたから彼を知っていた人は多いに違いない。私は面識こそないものの彼のペコリーノチーズは美味しく頂いていたのでこの知らせは胸にずっしり重くのしかかり、昨日の葬式には参加しなかったがボローニャの家から冥福を祈った。ガス漏れによる爆発事故からたったの5日しか経たない今日この頃は、出来れば爆竹や花火の爆音を聞きたくないのが正直なところだ。
by yspringmind
| 2006-12-29 13:39